「少子高齢化だからシニア狙い」は方向性を見失うかも知れない

「自宅まで訪問されて様々な世話を焼かれているまちのでんきやさんはシニア向けビジネス!」「少子高齢化のこれからがチャンス!」ということはこの業界でも言い尽くされていますし、メーカーさんなどもそれを見越した商品を多く開発されています。見守りを兼ねた電気ポット、振り込め詐欺対策の電話機、バリアフリーのプチリフォーム。冬場だとヒートショック対策の浴室暖房など多岐に渡ります。

 

それ自体は一つの方向性として正しいと思いますが、そのまま鵜呑みにしてターゲットをシニア層に絞ってしまうのは店の方向性を見失うリスクをはらんでいます。(私はこの「ターゲット」という言葉自体が嫌いですが)

 

少子高齢化対策は「シニア向け」より「決裁者の交代」が焦点

以前ですが、とある電器店さんがニュースレターに自店の価格設定の仕組みを書いて、お得意様に公開したそうです。

 

・商品によっては量販店店頭価格より安い場合も
・下取りをオプションとして謳わない理由
・あまりお値引きしない理由
・商品購入時に自店で行うサービス

 

などなど、お得意様間で不公平が出ないようバランスを意識して取り組んでおられることを情報として発信したところ、今まで直接お話ししたことが無かった30代のお客様の息子さんから連絡があったそうです。

 

今までイメージだけで「あの店は高い」と親に苦言を言っていたけど、必ずしもそうじゃないことが分かりました。分かりやすく伝えてくれてありがとう。

 

町の電器屋さんと話していると「顧客の息子が量販店で買ってしまい、売り時を失ってしまう」という話をよく耳にします。また一方で後継者の居る電器店さんと関わってみると「親の顧客を息子に引き継がせようとして行き詰っている」ようなことがあります。これって問題の根っこは同じで、シニア層を意識するあまり下の世代との関係を作れていないということなんですよね。

 

つまり「少子高齢化社会」におけるビジネスは、人口の多いシニア層向け云々よりも、年齢を経るに従ってやはり(家計の)決裁者は移り変わって行くということを見ないと、片手落ち感は否めません。

 

もちろんシニアの方でもまだ身体を労わってもらうほどではない元気な方は沢山居ますし、一方で若い世代といっても安さありきの人も居れば、関係を大事にサービス提供してくれることに価値を感じてくれる人もおられます。ステレオタイプを鵜呑みにしないことです。ただ若い世代の方ほど、シニアの方と違って圧倒的に町の電器屋さんの情報が不足しているんですよね。目に見える値段でしか判断されないのはお店側がそれしか基準を提供出来ていないから、という場合が多いのです。

 

上記のでんきやさんのようにキチンと情報発信してアプローチすれば、共感して下さる息子さん世代は居ます。親の買い物を気にして口出しされるって、よく考えたら親孝行な人ですよね。

 

例えば親元離れて住む人にとって、家周りのことを安心して任せられる存在として認知してもらえれば、いわゆる「お客様の世代交代問題」も怖くありません。高齢化社会だから人口が多いシニア向けビジネス、などとお客様を年齢層という“マス”で考えるよりも、「互いに共感できる関係」を軸に情報発信の仕方を考えてみると、アプローチの仕方もより見えてくるのではないでしょうか?

このブログを書いた人

メオマサユキ

「アトムのメオマサさん」で長く公式アメブロ「町の電器屋さんの小さな販促実践委員会」を担当。㈱アトムチェーン本部入社→経理担当3年→ 加盟店相談員 兼 公式ブログ5年→店舗開発担当1年→2018年から物流部長。これからどーすんのか、本人も分かってない?