しょうもない仕事しか頼まないお客様とどう付き合えばいいか分からない

チェーン本部にいると日々の経営に悩まれるまちのでんきやさんのご相談に乗ることも多いのですが、以前ご相談を受けたご加盟店さんがふとこのような悩みを洩らされていました。

 

「しょうもない仕事しか頼まれない方との距離の取り方が、これで合ってるんだろうかいつも迷う」

 

多かれ少なかれどの業界でもそうであるように街の電器屋にも色々なお客様がおられ、信用して家電の購入・設置・アフターフォローまで全てお任せ頂ける方から、コンセントが抜けていただけなどのいわゆる「ナンセンスコール」、或いは家電は他所で買って修理や電球交換はこちら、と使い分け(?)される方までさまざまです。でんきやさんにとっては全部お任せの方が売上げ上位のお得意様で、そうではないお仕事へのモチベーションをどう保つか、という課題があります。

 

「しょうもない仕事しか頼まれないお客様」の受け止め方

2つの捉え方があります。

 

1つは「こちらはしょうもなくても、お客様にとっては一大事」という捉え方。この場合は真摯に向き合えばはとても感謝されますので、お店側も分かりやすいです。感謝にはまたサービスで返したくなり、スムーズに良い関係に乗せて行きやすいパターンです。

 

悩まれるのはこれがイマイチ見えづらい時。「助かったわぁ」と云いながら、置かれている家電は明らかにウチ以外で買ったもの・・・というのが見えてしまうとモヤモヤした気持がムクムク起こるのも人情すが、このお客様の捉え方がお店の将来を分けるとも言えます。しょうもない、つまり些細なことしか頼まれないのは、こちらのことがまだ分からないので慎重なのかも知れません。

 

「まだ関係を築いている途中」

 

このように受け止められると次はどうアプローチするか、逆にどうなったら距離を置くか、考えやすくなりますね。個人店は売上の大小に捉われ、相性の合わないお客様とお付き合いするより、相性の合うお客様を見極めて関係づくりに力を入れた方が、結果として経営も安定します。こう考えるとお客様の数というのはこうした小さいながらも当店に頼って頂ける関係性の数の上に成り立っていることが分かります。実際、長く繁盛されるお店ほど大きな仕事だけではなく、このような些細なご依頼も多くなります。

 

 

アトム電器直営店でもこの小さなご依頼のお客様を「期待客」と呼び、スタッフには1件あたりで報酬も出し、小さな仕事をもってアプローチを切らさないようにむしろ奨励しています。

 

大きな仕事を任せて頂ける良好な関係に至るまでには、往々にしてその前段階の些細な関係の積み重ねが土台となっている場合が多いです。その中で自分と相性の合う関係をしっかり見極めて行くこと。自店にとってもお客様にとっても、相思相愛の関係を増やして行きたいものですね。

このブログを書いた人

メオマサユキ

(株)アトムチェーン本部 店舗運営部長。「アトムのメオマサさん」で長く公式アメブロ「町の電器屋さんの小さな販促実践委員会」を担当。㈱アトムチェーン本部入社後、経理、法務、 加盟店相談、店舗開発、物流部長を経て、2023年3月より現職。