リレーしたのは「お役に立ちたい」地域電器店の本分

1月の能登半島地震において弊チェーン内では最も被害が大きく、避難所生活を余儀なくされてるアトム電器輪島店(日本海家電)様。

 

被災後いち早くアトム本部サイトの店舗案内文を再建中の自店の状況と、出来る限りのサービスはさせて頂いているので、お困りのお客様はお電話下さい、と更新して欲しいと精力的に活動されている様子について以前、お伝えさせていただきました。

 

「商売は店としての姿勢が先にあり」とは言いますが、本当に頭が下がります

早いもので新年も明けて3週間が経ちました。振り返れば元旦に地震が来たのは、我が家では初詣から帰宅して珈琲でも淹れようかというタイミング。大阪でも震度3~4の長い揺れで、続けて大きな揺れが来るのではではないかとしばらく子供とテーブルの下に潜り込んでいました。揺れが収まり、こんなに長い揺れは東日本大震災以来だと嫌な予感がよぎりTVを付けたら大変なことに。それから夜まで広がって行くニュースに呆然と過ごして、夜になってからリモート用PCを持ち帰っていたことを思い出して…

「商売は店としての姿勢が先にあり」とは言いますが、本当に頭が下がります

 

混乱する被災地域に品物を届けるには

その後も物流、インフラの復旧が遅れが云われていた1月半ばすぎのこと。

 

その輪島店様から「お客様から受注した商品と必要部材を受け取る手段は無いでしょうか?」と私たち本部にご相談が入りました。すぐにでもお応えしたかったのですが運送会社の配送網自体が回復しておらず、かつ他県から援助の受け入れも制限される状況で、お応えする手段を考えあぐねていました。

 

その同じ時期に、同じ石川県下の加賀小松店(平和電業社)上出社長から、輪島店様がお困りだろうから県内ナンバーであれば現地まで何とか行けるので、(配送が来ている)自店まで輪島店様が仕事をする上で不足な物を集めてもらって、自分が運搬して協力したい、とお申し出を頂きました。

 

本来、チェーン本部の物流機能でしっかりフォローすべきところでやや躊躇しましたが、そんなこと言える状況ではないので上出社長に甘えさせて頂くことに。
早速、本部・輪島店様・加賀小松店様のチャットグループを立ち上げ、日程調整を始めました。

 

 

チャットを使ってご注文品以外に必要な道具や部材、その他食糧や飲料などご入り用のものについてヒアリングしたり、当日の受取りのタイミングを調整したり。(その中では恐縮される輪島店様に、困っている時は遠慮せず頼り切って下さい、と促す場面も)。本部側の仕事としては1月末までに加賀小松店様に輪島店様の商品、部材が届くように調整し、月が明けた2/2(金)に上出社長に現地に向かって頂きました。

 

向かう道中の様子は加賀小松店・平和電業社様のブログに譲るとしまして(普段往復5時間弱のところ、9時間以上かけて)

 

 

無事お二人が出会え、必要なものを受け取って頂けたのでした。

 

 

久しぶりに「まちのでんきや」らしい仕事が出来ました!(輪島店・隅屋様)

今回改めて輪島店様にも話を伺えましたが、震災当時は幸い建物の2、3Fに居られて全員ご無事で、何とか軽トラ1台と車内の工具が残ったので、避難所生活をしながらもそれで何とか活動されている状況とのこと。

 

上出社長が商品、物資を届けてくれた時は、まだ水道や一般の運送便、仮設住宅のメドも立たない時期でとても助かりました、と感謝を口にされていたのと同時に、「商品が届いて久しぶりに電器屋らしい仕事が出来ました!」と嬉しそうにされていたのが印象的でした。

 

WEB上でお客様に情報発信されているのもそうですが、何かしてもらう以上にこうしたお役に立てる実感を持つことは大切なことなのだと思います。

 

すぐ「いつも会議でお話しするあの人は無事か?」と頭によぎった(加賀小松店・上出様)

輪島まで走って下さった加賀小松店様も震災当日は震源から150km以上離れた場所に居ても、今まで感じたことのない恐さの揺れだったそう。揺れが収まり、能登が震源と知ってすぐ「いつも社長会でお話しする輪島店の隅屋さんは無事か?」と頭によぎったということでした。

 

幸いすぐ無事は確認出来たものの店舗全壊と聞いて、何か協力出したいと思ってられたので、今回隅屋さんのお顔を見れた時には心底ホッとしたと仰られていた上出社長。お届け後のチャットでお礼を伝えられた輪島店様に「こちらこそ何かしたかった。その機会を頂き、有難うございます。」と返されていた言葉が印象的でした。

 

つないだのは「お役に立ちたい」地域店の本分

現状、本部としても難しかった現地までの配送をこのようなリレーでつないで頂いて、大変有難く感謝しております。

 

今回お二人から話を伺って、私たち本部から加賀小松店、加賀小松店から輪島店、その先のお客様へと配送のリレーが行われたのですが、本当にリレーされたのは自らが被災者でありながらお客様の「お役に立ちたい」輪島店様、被災された同じメンバー店の「お役に立ちたい」加賀小松店様。地域電器店としての本分・原点だったと感じました。

 

また、アトム電器では今回、チェーン内で復興義援金を募集したところ、多くのメンバー店様から義援金をお預かりし、これも「お役に立ちたい」気持ちも預かっているのかな、と感じています。

 

普段のFC会議などで直接顔を合わせていることも、こうした絆に繋がっているのかも知れず、改めてリアル会議の役割や、私たち本部の仕事もこうした思いも繋いでいると見直す契機になったような気がします。

 

アトム電器輪島店・隅屋様、加賀小松店・上出様、ありがとうございました!

このブログを書いた人

メオマサユキ

(株)アトムチェーン本部 店舗運営部長。「アトムのメオマサさん」で長く公式アメブロ「町の電器屋さんの小さな販促実践委員会」を担当。㈱アトムチェーン本部入社後、経理、法務、 加盟店相談、店舗開発、物流部長を経て、2023年3月より現職。